手術前説明(1時間)

■【病状】
・CT検査の結果、他の臓器やリンパに転移等は見られなかった。
腫瘍マーカーの結果も異常はなかった。
・良性の可能性は、確定はできないが、7割ぐらい・・・とのこと。
・今までの下腹部痛は、便秘ではないか?とのこと。弱い下剤を処方してもらう。

■【詳細】
約1時間かけて、家族同伴での手術前説明をしてくださる。
とてもわかりやすく、丁寧に、やわらかい口調で説明してくださった。
下記は、記憶の範囲内での先生のコメントとなる。
(多少ニュアンスが違っている部分もあるかもしれない)

                                        • -

・腫瘍があるのは確かで、右側の卵巣が腫れている「右卵巣腫瘍」の可能性が高いと思っている。エビデンスとしては、右側の卵巣を探しても見つからないということが挙げられる。
・ただ、もしかすると子宮筋腫の可能性もあり、筋腫で右の卵巣が隠れてしまっているだけかもしれない。
・手術で開いてみて子宮筋腫であれば、切除すれば問題ない。ただ卵巣の可能性を考慮して、右卵巣腫瘍疑いという前提で治療を進めていこうと思っている。
・手術の目的は「(1)治療(腫瘍を摘出する)」「(2)診断を確定させる」の2つ。
・卵巣腫瘍には「良性」「悪性」「境界性」という分け方があり、これは摘出したあと病理検査に出してみて初めて診断が確定する。
・腫瘍には、中身に水が入っている水風船のようなものと、ぎゅっとつまっているかたまり(充実性)と言われているものがある。
・水風船のようなものであれば、9割良性の可能性が高い。
・今回は充実性、かたまりなので、「悪性」「境界性」であるというリスクを考慮して治療を進める必要がある。
・右の卵巣はすべて摘出するが、片方だけになっても妊娠や出産には影響はない。
・お腹のなかに少し水がたまっているので、吸い出して検査する
・お腹にある脂肪の網を取ってがんを調べることがある
・CT結果では、他の臓器やリンパに転移のようなものはなかった。
腫瘍マーカーの結果は問題なかった。(前回とったものとは違うものを検査したとのこと)
・(こちらから聴いたら)現段階で良性の可能性は70%ぐらい。ただ、もちろん確定したことは言えない。
・悪性であれば、追加の再手術が必要。
・実際の手術時間は1時間程度。ただ、準備段階から麻酔が醒めるまでを考慮すると、手術室にいるのは全体は3時間ぐらい。
・出血はあっても10cc〜20cc程度と考えている
・できればお腹を横に切るほうが目立たず望ましいのだが、今回は悪性で追加手術の可能性もある。追加の場合は縦に切るため、最悪十字の傷になる可能性がある。そのため、最初から縦に切るということでもいいか。もちろん、患者さんが選択していい。
・悪性の場合でも手術を1回ですますことができる迅速冷凍診断というものある。腫瘍を摘出したら瞬間冷凍させ、悪性かどうかを見て、悪性だったら両側の卵巣と子宮も切除。ただ、診断の正確性は80%ぐらいで、誤診の可能性もある。あとから良性だったとわかったときには、すでに切除してしまったあとだというリスクがある。
・1週間程度かかる病理検査では、ホルマリン漬けにしたり、色をつけて見やすくするなどしっかり検査するので、そちらのほうをお勧めしているが、患者さんが選択していい。
・下腹部痛については、便秘の可能性があるので弱い下剤を処方します。

                                        • -

■【手続き等】
病院からの書類
・検査・治療・手術同意書
・卵巣腫瘍で手術を受ける患者さまへの説明書
・輸血・血漿分画製材(特定生物由来製品)に関する説明と同意
・入院診療計画書

■【気持ち】
先生の説明がとても分かりやすく、質問にもひとつひとつ誠実に回答してくださったため、とても安心した。
また、自分の家族だけではなく、主人と、頼りにしている主人のお母さんも一緒に聴いてくださったので、その安心感は計り知れなかった。
説明内容については、疑問点はすべて解消され、納得いくものであった。
自分の性格傾向として、原因不明で理論的にはっきりしない状態に対してはとてもストレスを感じるが、原因もある程度明確になり、すべてのスケジュールがきちんと決まったので、気持ち的には大変楽になった。
あとは、手術までの稼働日内で仕事をきっちりとこなし、状況を周知したうえで引き継ぐべきものは引き継いでいけば、治療に専念できると思った。
また、今回は主人をはじめ、主人のご家族、自分の家族に多大な心配をかけてしまっていることがとても申し訳ないと感じた。ただ申し訳なさを感じる反面、自分の家族はもちろんのこと、主人のご家族の皆様には筆舌しがたいほど本当に暖かく支えていただき、嫁がせていただいて本当に良かったし自分は幸せだとつくづく感じた。
支えてくださる家族のためにも、ポジティブな気持ちで取り組み、病気に負けてしまわないようにしようと思った。