手術後3日目

■治療・症状
[食事]
・朝食⇒85%
・昼食⇒97%
・夕食⇒97%
・便通2回
[症状]
・明け方、腸がひっくり返るかのような痛みがふたたび起こる
・胃痛とあいまってお腹全体が痛む
・膣からの出血
・傷口の痛み
・右脚の付け根に近い下腹部の内部がピリピリ痛む
[治療]
ムコスタ(3回)
マグラックス(1回)
・キズのテープを剥がす
・歩行練習(病棟内・院内コンビニ)
・入浴
■【詳細】
午前2:30頃、腸がムズムズ動いて、なんとなく痛みの前兆のようなものを感じてハッと起きる。
なんだか嫌な予感…と思い、お手洗いへ
それから40分くらいの間、手術後に経験した腸がひっくりかえるかのような痛みが左下腹部中心に出現。
またか…と思いながら、でも手術後の痛みよりはまだ耐えられる痛みだ、と思いながら40分ぐらい苦しむ。
やっと収まってくると、今度は昨夜のロキソニン(痛み止め)のせいか、胃が痛くなってきたため、ムコスタ(胃薬)を飲んで眠る。
朝になってバイタルチェックのとき、看護師さんに夜中の腹痛を話したところ「蠕動痛と言って、腸が動き出したので痛んでいるもの。手術中は腸の動きを全部止めているので、いまちょうど3日経って食事も普通食になったから、動き始めたんだと思いますよ」とのこと。
手術後の痛みのあと主人のお母さんに教えてもらったことと一致し、やはり回復している証拠なのだと思ったら少し安心。そういうことならばいくらでも耐えられる。
朝食はほとんど食べて、牛乳も少し飲んだ。
ただ、やはり痛みが辛かったため主人にメールして、今日のお見舞いはお断りさせてもらった。
午前中は病棟内を歩いたり、昨日コンビニの店員さんにすすめられて買った下着が良かったので、2枚目を買い足しに行ったりした。
手術後にエコーで診てくださった女医さんがきてくださり、キズに貼ってある透明なテープを剥がしてくれた。剥がすときの痛みは全くなかった。
先生から「子宮内膜症だったの?」と聞かれて「いえ、右卵巣腫瘍です」と答えたら「そう…子宮内膜症だったらお腹のなかの痛みが続くから、子宮内膜症かと思ったんだけどね…」とのこと。
さらに先生から「腫瘍のなかに、水があって歯とか髪が入ってた?」と聞かれ、卵巣のう腫のことかな?と思い「いえ、そうではなくて充実性の腫瘍です」と答えたら「そう…」とのことだった。
そのあと入浴の順番が回ってきたので入浴。たまたまシャワーの水が傷口に当たってしまったりすると、やはり生キズなので痛んだ。ただ、外傷と同じなので耐えられないような痛みではない。
ただ、シャワーで傷口に付着していた血液が流れて、少しグロテスクさがなくなった。テープを貼ってるうちに、写真撮っておくんだった…。
その後、昼食もほとんど完食。
午後も病棟内を歩き回るが、やはり下着が傷口に当たってこすれ、痛い。鈍い痛みもまだ続いている。でも回復を早めるためだと思い、休憩をはさみながら頑張って歩く。
昨日、乾燥機で乾ききらなかった洋服をベッド脇に干していたのだが、まだ乾いていなかったため、こりゃ下着は手洗い⇒部屋干しではなく、もう1枚買って洗濯サイクルに混ぜたほうがいいかな、と思いリハビリも兼ねてまたコンビニへ。3枚目を購入。
病棟に戻ってからは、歩行⇒休憩の繰り返しをした。
あまり膝を曲げず、足の付け根だけを使いカクカク歩くとあまり痛くないということに気づいた。
また、携帯にウォーキングチェッカー機能があったことに気づき、気づいてからはなるべく携帯を持ちながら歩くようにした。
夕食も殆ど完食。ただ、食事を採るとどうしても胃腸が苦しくなり熱が上がってくる。お腹も張って外の傷口も痛む。
便通も朝9時以降パッタリ止まってしまったので、看護師さんに相談してマグラックス(弱い下剤)を再開することにした。
食後は、手術した16日からのブログを追加・修正したりなどして過ごす。
冷房が(自分にとっては)きつすぎるため、止まる22時までは起きていることにする。(看護師さんに言おうと思ったが、冷房吹き出し口に近い窓際から、真ん中や廊下側に移動させられたら大変と思い、ここは言わないでおこうと判断)
明日はもっと良くなっているといいな、と思ったが、まもなく腹痛がやってくるのだった。

手術後2日目

■【治療・症状】
[食事]
・朝食(全粥)⇒60%
・昼食(常食)⇒70%
・夕食(常食)⇒80%
・便通2回
[症状]
・傷口の痛み
・膣からの出血
・ひどい胃痛
[治療]
ロキソニン
ムコスタ
・点滴を外す
・入浴(シャワー)
・歩行練習(病棟内と院内コンビニ1回)
・洗濯(コインランドリー)

■【詳細】
夜中、バイタルチェックや尿意もあり、何度かお腹の痛みで目覚めたが、我慢できないほどではなく「手術後よりはまだマシだ」と思うようにした。
起きあがると胃痛と腹痛がダブルで襲ってきた。
起きあがりかたにはコツがあることがわかり、まず膝を立ててから、右手でベッドの端を強く握りしめ、左手で腰を支えながら起きあがる方法がスムーズだった。
入院前に読ませていただいた、どなたかの卵巣腫瘍治療のブログにも「先に膝を立てるとよい」というような記述があった気がする。あ〜、もっとちゃんと読んでおくんだった、ブックマークもしておくんだった…と後悔。
ただ、人によってラクな姿勢や方法に違いはあるかもしれない。
朝食は6割食べることができた。
看護師さんに、胃痛がひどいため胃痛薬を増やしてもらえないか相談した。
そして昨日、主人の上司から差し入れでいただいた『きょうの猫村さん』を読んでみたら、面白くてどっぷりハマってしまう。ほのぼのながら、笑いあり、涙あり、ヒヤヒヤあり…でもどれもが重すぎず、入院しているときにピッタリ!
さすが仕事ができると評判の次長さんだなぁ〜と思いながら1巻読み切ってしまう。
昼食までのあいだに、歩く練習をした。まずは、軽く病棟内の廊下を1往復。
やはり傷口が痛む…。
同じ階に産科もあり、妊婦さんも入院されている病棟だった。お母さんに会いにきたお子さんたちが走り回っており、普段はカワイイと思うのだが、この時ばかりは“うぅっ、頼むから、ぶつかってこないでくれよ…”と、ちょっぴり狼狽。
昼食の時間になり、7割くらい食べることができた。
ちょうど主人がきてくれて、一緒に食事した。たった4日ぶりぐらいなのだが、久しぶりに一緒に食べた気分…。主人の顔を見ることができて元気が出てくる。
午後、入浴(シャワー)のため、いったん点滴を外せることになった。
点滴針は刺したまま、テープとラップでグルグル巻にしてお風呂へ。
やはり、点滴を外すと途端に自由の身になった気がして、ものすごい解放感。
シャワーは傷口にしみるのではないかとドキドキだったが、まだテープを貼っているため、シャワーによる痛みはほとんど感じなかった。
髪が長くベトベトしてきていたこともあり、2日ぶりにシャワーに入れて爽快だった。
お風呂からあがってから、院内のコンビニまで歩いてみた。下着のゴムがちょうど傷口に当たって痛いため、医療用の下着を探しに行ってみたら、ガーゼのがあったあった。
レジまで持って行くとレジのかたに「手術後なら、みんな“いい”って買っていく下着があるわよ」と違う種類のものを薦められたので、迷ったが薦められたほうを購入。
戻って履いてみると、ウエストまでゴムがあり生地もやわらかくて、手術後にはちょうど良かった。
その後、調子が乗ってきてコインランドリーへ洗濯に。
母もお見舞いにきてくれた。お花と水筒と髪ゴムの差し入れをいただいた。
お花を見て一瞬びっくり、エーッ、根付きではないか!でも「根付きではない」と言うので見てみたら、スポンジのような苗床にお花がささっていた。
水筒と髪ゴムは、自分も似たようなものを持ってきていたため御礼を言って持ち帰ってもらう。
昼間張り切りすぎた疲れも出てきたので、夕食前においとましてもらった。
その後、また点滴が再開された。自由の身から一瞬にして囚われの身になった気分…。点滴でこんなにモチベーションに変化があるなんて。
夕食は8割食べることができた。
看護師さんが胃薬の件で説明しにきてくれる。どうしてもつらかったらムコスタは1日4錠でもよいとのこと、食後ムコスタロキソニンを服用し、寝る前にムコスタをもう1錠服用してもいいと言ってくれた。
夕食後、あっという間に点滴が終わり、点滴針ごと外しても良いことに!またもや自由の身となり、モチベーションがあがる。
そして盛り上がったところで、もったいないと思いつつ『きょうの猫村さん』2巻を読んでしまう。2巻はかなりディープな(?!)ところまで猫村さんが食い込み、ますます面白くなってきた…。
眠る前にロキソニンを飲み、胃痛もだいぶ和らいだので、この調子でグングン回復していけばいいな…と思いながら安らかな眠りについたが、ほどなくしてその幻想は打ち破られることとなった。

手術後1日目〜地獄〜

■【治療・病状】
[食事]
・朝食⇒ 5%
・昼食⇒ 0%
・夕食⇒30%
・ガスOK
[症状]
・身体のかゆみ
・吐き気
・腹痛(激痛)
・傷口の痛み
・膣からの出血
・発声がうまくできない(気管に麻酔が挿入されていたため)
[治療]
・鎮痛剤投与
・心電図
・空気圧マッサージ機
・痛み止め(座薬)
・エコー診察
・背中の鎮痛剤を抜く
・消毒
・お手洗いまで歩行
・尿管を抜く
・痛み止め(ロキソニン)投与

■【詳細】
文章に起こすのもはばかられるくらい、地獄の1日だった…。
術後ずっと背中から鎮痛剤を投与しており、ものすごく気持ちよかった。(麻薬みたいなものなのだろうか)
足の空気圧マッサージも気持ちよくて、ずっとこのままでいたい…という感じ。
ただ、肌が弱いせいか心電図のゴムと手術着のマジックテープで、胸・脇・背中が痒いのなんの、唯一自由がきく右手で掻いていた。
最初は15分おき、そのあと30分、そして1時間おきに心電図と血圧と体温を計るため、そのたびに起きる。観察室に時計はなく、いま何時なのか、いつまでこうしていればいいのか動けないまま解らず、痒みも増していき大変に辛かった。
痒みは我慢できたのだが、傷口の痛みが出てきて辛くなったので看護師さんに伝えた。発声がうまくできず、やっとの思いで伝えると、鎮痛剤の量を増やしてくれた。しばらくは楽になるが、今度は気持ち悪くなる。
「手術後のため強い鎮痛剤を使っているので、量を増やすと気持ち悪くなる」とのこと。「気持ち悪いのと痛いのとどっちが強いですか」と聞かれ、どちらも強いので答えられないでいると「どっちもツラいですよね」と理解してくださったが、それに対してどう対処するとかの話はなかった。
今から思えば、我慢するしかなかったのだろうと思う。
途中から担当の看護師さんが交代し、交代したかたはとても丁寧なかたで、心電図、体温、血圧とひとつひとつゆっくりこなし、身体をよく診てくれ、痒みにも気づいてくださった。
痒みどめの薬を塗ってくれ、胸のうえでゴチャゴチャになった配線もひとつひとつほぐして余計なものは外してくれた。そのことでだいぶ楽になった。
大袈裟かもしれないけど弱りきっている自分にとっては、本当に天使かと思った…。
同室の観察室にいらしたかたがひっきりなしにナースコールをするかたで、朝方「バイタルチェックがこない」と何度もコールしていた。そのたびに別の看護師さんがきて「○○さん(←観察室の担当看護師さんの名前)は、ひとりひとりゆっくり丁寧に診るかただからね、まだ時間がかかりますけど周ってきますよ」と説明していた。
そんなやりとりから、やはり丁寧な看護師さんだったのだ、良かったなあと思った。
ガスは普通に出たので、順調に治癒に向かっているのかなと前向きに思った。
やっと病室が明るくなり、朝食の時間になった。記憶が定かではないが、いる確かこのときに酸素マスクをはずしてくれたと思う。
この辺から地獄が始まる。
身体を起こされ、3分粥とすりつぶしたおかずが出た。食欲はあり食べたいのだが、身体を縦にしたとたん、ものすごい吐き気に襲われた。
座っているのに眩暈もすごくて、とても食べられる状態ではなく、しばらく目を閉じていた。
すこし落ち着いてから、ひとくちずつ3分粥を食べるが、とにかく吐き気がすごい。途中で「オエッ」となってしまい食べられなくなり、泣く泣く食事終了。
看護師さんに気持ち悪いと伝えると「背中の鎮痛剤は、吐き気の副作用があるので、外れたら吐き気も良くなりますよ。今は吐き気止めの点滴をしましょう」とのこと。
身体を横にして休んでいると、今度はものすごい腹痛。お腹の中がひっくりかえるように痛む。腸がムキ出しになってねじれているような感じ…。文字通りのたうちまわって、看護師さんを呼んだ。
看護師さんの説明によると「痛み止めの点滴をすることはできるが、それをしてしまうと副作用で眠くなってしまう。午後からは立って歩くことが今日の目標なので、痛み止めではなく座薬で様子を見ましょう。立って歩けるようになれば、口から痛み止めの抗生物質も投与できますから」とのこと。
こんな状態で午後から立って歩けるのかな?とにわかには信じがたかった。
座薬を入れるが、痛みはまったく治まらず、むしろ増していく。看護師さんにお腹を触られたら、ムキ出しの腸を爪でとがれたような痛みで“ぎゅるん”と腸がねじれる感じ。脂汗は浮いてくるし時間が経つうちに激痛で体力も消耗し限界だと思った。
昼食ももちろんひと口食べただけで、手がつけられなかった。
座薬を入れてから3時間半が経過しても、ちっとも良くならないのでさすがに看護師さんたちも心配してくれ、回診かなにかで病棟にいらしていた女医さんを呼んでくれた。「座薬が効かないなら(痛んでいるところは)傷口ではなく、お腹のなかなんじゃないか」と話していた。
確かに、お腹のなかに異変が起こっていたとしてもおかしくないと思えるような痛み…また手術なんてことになったら、と思うとぞっとした。
女医さんが診てくれたが、触ろうとしてくれた瞬間、さっき看護師さんに触られたときの激痛がフラッシュバックし、本能なのか先生の手を押さえてしまった。いつもの自分だったらありえない行動…。先生に「これは診察に必要なことですから」と言われハッとする。
しかし触られると、また腸を直接爪で引っかかれたような痛みで“ぎゅるん、ぎゅるん”となる。ものすごい表情をしていたんじゃないだろうか。
先生がエコーで診察してくれ「痛み止めの点滴は入れたくないんだけど、入れますね。ただ、麻薬の次くらいに強い薬だから、色んなこと(症状)を見逃すしあまりやりたくないんだけど…」というようなことをおっしゃった(この辺は痛みで記憶が曖昧)
その後、しばらくしてから看護師さんが痛み止めの点滴を持ってきてくださったが、ほんの少し痛みが和らいできたのでそれを伝えると「やはり、やらないにこしたことはないから、もう少し様子を見ましょう」ということになった。
時間の経過とともに少しずつ痛みがおさまってきて、看護師さんが背中の鎮痛剤を抜いてくれた。
確かに鎮痛剤が切れてから吐き気は治まってきていた。
それから看護師さんが感染症予防で局部を消毒してくれたが、お腹をさわられないかビクビクしっぱなしだった。あまりにビクビクするので「腹帯はご自分で巻いてもらったほうがいいですよね?」と言われてしまった。いや、信用していないわけじゃないんですけどね、とにかくあの痛みがフラッシュバックして…と言いたかったが、相変わらずちゃんと声が出ない。
消毒していただき、ややスッキリしたところで、立ち上がりお手洗いまで歩行することになった。看護師さんの指示に従ってベッドから降りる。
ここで主人のお母さんが来てくれて、思わず泣きそうになるが、歩行を応援してくださり何とか歩かねばと、ゆっくり歩く。
立ってみるとお腹には、今にも爆発しそうな鉛でも抱えているような鈍い痛みがあった。
お手洗いまで辿り着くと、看護師さんが尿管を抜いてくれた。尿官を抜くのは痛そうだと思っていたが、全く痛みはなかった。
少しずつ色んなものが外されて気分的には身軽になっていく。
この時初めて傷口を見てみたら、フランケンシュタインのようになっていた。10センチメートルへど縦に真っ直ぐ切られていて、ホチキスの針で横にバシバシ留められていた。見るからに痛々しい。
「立ってお手洗いまで歩く」という本日の目標が達成されたので、病室に戻れることになった。
お母さんに泣きながら今までの痛みについて話してしまった。
お母さんによると、先生が腸など他の臓器も触って診てくれたと言ってたけど、他のかたから聞いた話では、臓器を丁寧に元の位置に戻すのではなく、パッパッと詰めて閉じるらしいとのこと。術後は臓器が元の位置に戻ろうとして痛む、ということらしい。
それを聞いて、あの痛みはそれだったのかと、合点がいった。
お母さんに昨日の先生の手術結果説明をもう1度教えていただいた。その後、発声もしにくいし、痛みや辛さを察してくれ、早めに切り上げてくださった。なんともありがたい。しかしお母さんの顔が見れてホッとして、痛みも和らいだ感じがする。
腹痛がラクになってきたと思ったら、今度は胃痛がやってきた。
ただ、普段から空腹時に感じる胃痛と同じだったので、これは単に胃が空っぽにっているから痛んでいるだけなんだろうなと思った。
看護師さんに、胃薬をいただけないかと相談したところ「痛み止めと胃薬はセットなので、痛み止めと一緒に出ますよ、今持ってきましょうか?」とのこと。すぐに持ってきてくださった。
さっそく抗生物質の痛み止め(ロキソニン)、セットで胃薬(ムコスタ)を投与。
夕方、母がきてくれるが、申し訳ないことに日中の激痛疲れでグッタリしてしまい寝てしまった。
夕飯はまだ3割くらいしか食べられなかった。美味しそうな匂いがしてるのに…残すのがもったいなかった。
その後、主人がきてくれて、主人の上司からの差し入れで『きょうの猫村さん』という面白そうなマンガをいただいた。
文庫で軽いし、読みやすそうで、しかも私の好きな『ユキポンのお仕事』のようなまったり感…とっても嬉しかった。何でもインターネットで1日1コマ更新しているとのこと。主人が「(上司は)何でも知っていてすごいなあ」と尊敬していた。「治ってから御礼をしよう」と話し合った。
主人の顔を見て安心した。主人も辛さを察してくれ、早めに切り上げてくれた。
本当に家族のありがたみを感じ、この家に嫁いできて良かった…と思った。

手術当日

■【治療・症状】
・朝6時に浣腸
・点滴
・洗面
・手術室へ
・局所麻酔、全身麻酔
・手術(約3時間)
・家族と面会

■【詳細】
[手術前]
本日はついに手術の日。
朝の浣腸は、だいぶ慣れてあまり不快感なくこなすことができた。
点滴をし、洗面と歯磨きをして準備完了。
点滴をすると、途端に病人になった感じ…。
開始5分前に看護師さんと手術室へ向かう。
主人の家族と自分の家族が見送ってくれて、心強さを感じる。
手術室の準備室のような部屋に入り、マジックテープだらけの手術着に着替える。シャワーキャップのような帽子をかぶり、いざ手術室へ。
[手術中]
看護師さんがドアを開けてくれると、ドラマや映画で観る手術室そのもので、看護師さんたちも慌ただしく個人データや点滴残数などを確認しており、いよいよ始まるんだという実感が高まった。
痛そうで嫌だなあと思っていた背中の局所麻酔だが、若干チクチクするくらいで終わった。看護師さんがずっと側にいて、針の入り具合の状況を説明してくださったので安心感があった。
そして麻酔をする段になったとき「差し歯はありますか?」と聞かれ「あります」と答えた。「えっ、ありますか?どこですか?」と言われ、急に聞かれたので咄嗟に答えられず「えっと…」と戸惑ってしまった。
結論としては、前歯でないなら大丈夫とのこと。
フー、びっくりした。
そんなこんなで、酸素マスクのようなものを当てられて全身麻酔となった。すぐに意識不明になるかと思ったら、しばらく麻酔が効かなかったので目を空けてみると、先生方全員がこちらの様子に注目していたので一瞬ビックリした。
先生から「静脈麻酔(←?あまり覚えていない)をしますが、痛いです。こんなに痛くていいのかと、ちょっと驚いてしまうくらい痛いけれど大丈夫ですから心配しないでくださいね」と言われて、え〜、痛いのイヤだな…と思ったあたりで、意識が途切れた。

………

次の瞬間、名前を呼ばれて「手術は無事終了しましたよ〜」と言われた。
その瞬間「えっ?もう?!」と思った
意識は鮮明に覚醒した。
先生からあらためて「無事終了しましたからね、いまご家族に説明しています(←きます?)からね」と伝えていただいた。
気管内に管を挿入していたため、なかなか声が出ないが、あらかじめ説明していただいてたので動揺せずにすんだ。やっとの思いで「や、やっぱり、ら、卵巣でしたか」と聞いたら「卵巣でした。でも綺麗に取りましたからね(←言葉遣いは定かではないがこんな感じ)」とのこと。
やはり子宮筋腫ではなく卵巣だったか…。あとは悪性か良性かの病理検査結果待ちか…と思った。
[手術後]
その後、また看護師さんたちが慌ただしく手術の後片付けをしていて、私はストレッチャーに乗せられ観察室へ。
痛みも気持ち悪さも何もなかった。
ご家族と会えますよと言ってもらい、皆さんが会いに来てくれた。
あらかじめ「先生からの説明を教えてください」と頼んでいた主人のお母さんがすぐにきてくれて「大丈夫だったわよ!」と笑顔で伝えてくださった。
もっと詳しく知りたい…と思ったらすぐに察してくれ「腫瘍は先生が見た感じでは悪いようではなく、臓器も全部触って診てくれたけど転移とかはなかった。(良性の可能性が)7割から9割に上がった(と先生が言っていた)わよ!」と一番知りたかったことだけを簡潔に伝えてくださったので、さすがお母さん、頼りになる…!と思った。本当にありがたかった。
その後、笑顔の主人に会えてさらにホッとした。
自分の家族も安心した様子を見せてくれて、ああ、良かった…と思った。
家族は10分くらいで退出になり、痛み止めが効いていたせいか、気持ちよく眠れた。
終わったんだ…とりあえずは良かった…と思った。
しかし、本当の地獄はここからだった。

入院日

■【治療・症状】
・入院手続きをして、病室に入る
・採血を実施
・担当看護師から入院オリエンテーション
・局部剃毛
・担当看護師との面談(術前〜術後の詳しい流れをご説明いただく)
・麻酔科医との面談(麻酔方法の説明、アレルギー確認)
・手術室看護師との面談(簡単な問診)
・入浴
・主治医からの内診
・浣腸

■【詳細】
朝、主人のお父さんとお母さんが車で自宅まで迎えにきてくれ、病院まで送り届けてくださった。荷物があったので、とてもとてもありがたかった。
やはり、このようなときは電車よりも車のほうが気持ち的にも身体的にも楽だと思った。
入院手続きは、あらかじめ渡されて記入しておいた書類を提出してすぐに終了。
病室に案内していただいた。
6人部屋だったが、先日見学したときより、実際にベッドのところへ行ったら広く感じた。
荷物整理の途中で採血をしたあと、担当看護師さんから入院オリエンテーションにて病院内の設備をご説明いただく。
その後、担当看護師さんとの面談があり、術前から術後の詳しい流れを説明していただいた。
手術後は病室ではなく、ナースステーションのすぐ前の観察室で過ごすらしい。
開腹手術の患者用のしおりがあり、それを見ながら自分のケースに合わせて丁寧に説明してくださったので、不安に思うことは何もなかった。
終わったあと、局部の剃毛があった。バリカンのような機械でお腹に近い部分のみ、剃っていただいた。
さらに麻酔科医さんとの面談があり、麻酔方法の説明と、アレルギー確認があった。
麻酔は、局所麻酔と全身麻酔の2つを併用して行うとのこと。
まず背中に局所麻酔をしてから、全身麻酔にはいるとのことだった。
MRIの造影剤のときと同様、ここでも気管支ぜんそくの既往歴がヒアリング項目となり、一連の流れを説明。
念のためで、ぜんそくのかたでも大丈夫な麻酔薬を使用してくださるとのことだった。
気管支ぜんそくといっても、たった1ヵ月のことだったのに、あの事件がここまで影響するとは!とつくづくびっくり。
でも、皆さん念には念を入れてくださるのでありがたい。
続けて、手術室看護師さんとの面談で簡単な問診があり終了。
お風呂に入り、あとは夕飯と浣腸するのみ…と思ったら、主治医の先生が病室まできてくださり、確認で内診してくださるとのこと。外来に行きエコーをしていただいた。
腫瘍は前回と同じ状況であり、手術は予定通り実施しますとのことだった。
夜9時に初めて浣腸を体験。怪我で手術経験のある主人から浣腸の方法について教えてもらっていたので、流れはなんとなく把握していたが、やはりちょっとキョーフ。
病室ではなく、個室に案内され、ベッドに横たわる。看護師さんが薬を注入。おながが冷たくなりグルグルした、何とも不快な感じ…「10分くらい我慢してください」と言われたが、すぐに激しい便意でトイレへ。
下痢のひどいときのような苦しさだった。
しばらくトイレにいて、便意がなくなってから部屋へ戻る。ただ、我慢できなかったせいかまだ全部スッキリしたわけではない感じ。
なんだかこれだけでグッタリ&ゲッソリしてしまったが、流れはつかめたため、明日の朝の浣腸はだいぶラクにできるかなと思ったら。

■【気持ち】
いよいよ明日は手術、先生方や看護師さんの説明もわかりやすく、安心感がもてた。
夜に仕事帰りの主人が駆けつけてくれた。浣腸を今後のからかいネタにするため興味津々。変態か!(-_-メ)という感じ。
でも主人と話せてホッとした。
あとは病院にまかせるだけなので、これといった不安もなく眠れそうである。

入院1日前

■【病状】
・下腹部痛と膨張感はずっと続いており、なんだかもう慣れてきてしまった。
・生理がきて、強めの頭痛がした。
健康保険組合から限度額認定証が到着

■【詳細】
いよいよ明日は入院なので、だいぶ前から準備していた荷物の最終確認を行った。
限度額認定証も到着し、準備万端。
身体のほうは下腹部痛が続いており、加えて、きっちり予定通りで生理がきてしまった。強めの頭痛がした。
昔から生理痛はそんなにひどくなく、ちょっとした下腹部痛と1日目のみ眩暈がするぐらいだったのだが、振り返ってみると1年前ぐらいから頭痛がしはじめ、下腹部痛が重くなってきていた。
頭痛に関しては、毎回生理がくるたびにだんだん強くなっていって(グラフで言えばゆるやかな右肩あがりという感じ)今回は今までで1番痛かった。
自分としては「年齢を重ね、ホルモンの変化か何かに伴って、生理のときの症状が変化してきたのかな」ぐらいにしか考えていなかったのだが、今思うともしかしたら卵巣腫瘍の関係もあったのかもしれない。
結構、気を付けているようでいて、身体のサインを見逃していたのだなあと思った。

■【気持ち】
明日から入院だが、しばらく自宅のベッドで眠れないのがきついなあと思った。
何より、癒やしの源である主人の顔が見られないのは痛手…。
ただ、仕事を離れ、3食昼寝付きなので、それだけが嬉しい限り・・・?もう環境を楽しむしかない!と思った。

下腹部痛(6)

■【病状】
・右が突っ張るような下腹部痛と膨張感。
・下剤を飲んだら、便通じたいは良くなったが、あまり効果なし。

■【詳細】
本日も研修参加。昨日と同じように下腹部痛がするが、我慢できないほどではないため通常通り参加する。
夕方頃から、少しずつ良くなった。
夜に、主人が映画に連れて行ってくれた。

■【気持ち】
久々の映画でとても楽しかった。主人も今までと変わらず色々と笑わせてくれるので、ほんとうに癒される。とても感謝。